テレビや新聞などでニュースを見ていると、稀にバカラに興じていた人が賭博容疑で逮捕されるというニュースを目にすることがあります。このようなニュースを見ると「日本国内でバカラをやるのは違法」と認識されがちですが、バカラ自体に違法にあたる要素は何もありません。バカラはトランプを使って行うゲームの一つであり、友人同士でバンカー役・プレイヤー役・勝敗予想をする役を決めてプレーし、単に予想やゲームの勝敗で競うだけであれば何も罪に問われません。これはポーカーやブラックジャックなどといった他のゲームにおいても同様です。
しかし、予想の当たりはずれによってモノの受け渡しが発生する場合は、刑法の賭博罪に抵触する可能性があります。テレビや新聞などで報じられる賭博行為の摘発事例ではしばしば賭けの対象として金銭が登場しますが、金銭以外のモノが対象だったとしても、勝った人が賭けられたモノを得て、負けた人が賭けていたモノを失うという関係が成立していれば賭博罪が成立します。また、金額についても基本的には無関係で、賭けたお金や提供した資産の価値が1円であっても、1億円であっても罪に問われます。
ただし、賭けられたのが「一時の娯楽に供するもの」だった場合は賭博罪に問われることはありません。一時の娯楽に供するとみなされうるものとしては、食べ物や飲み物、タバコなどの嗜好品が挙げられます。また、賭け事を終えたあとすぐに一時の娯楽に供するものの購入に用いるのであれば、お金が賭けられたとしても賭博罪は成立しません。例えば、友人同士が小遣い程度の額を賭けてバカラを行い、勝者が得た賞金を近所のコンビニから好きな食べ物や飲み物を調達するのに用いた場合は、罪に問われる可能性は低いでしょう。
一方、バカラは今日では多くのオンラインカジノでも遊ぶことができますが、このようなサイトでバカラをプレーする行為が違法になるかどうかは、カジノの運営が行われている場所やプレーした場所によって判断が異なります。運営会社が日本国内にあったり、サーバーが国内に設置されている場合は利用者が罪に問われる可能性がありますが、会社もサーバーも国外にある場合は、日本の法律にこのようなケースを賭博罪に問う規定が現時点で存在しないため、摘発される可能性は低いでしょう。ただし、今後法整備が行われて違法とする規定がつくられたら、該当する法律の施行後は確実に違法になるので、テレビや新聞の報道はこまめにチェックしておきましょう。